入院前夜~子宮頸管妊娠診断日③~
夕方ようやく自宅に戻る。
さすがに手術と入院となれば、家族や周りの人にある程度報告が必要だと思い、まず家に帰ってやりかけの仕事を片付けた。
直近でよくやりとりをしている人たちや上司に電話をし、詳しいことは伏せながら、手術と入院することとしばらくお休みすることを伝えた。
上司にだけは「婦人科系の病気で」ということを付け加えた。
一通り落ち着いた時点で母に連絡した。
不妊治療をしていたことも妊娠したことも言ってなかったので、一部始終を話しながら、母の前ではやっぱり子どものようにぼろぼろ泣いてしまう。
この妊娠はダメなんだと分かってから、初めてちゃんと泣いた。
その後くだらない話もして、最後は笑って電話を切った。
本当はもうしばらくしたら「孫が出来たんだ」と喜ばせる連絡をしたかったのに、逆に心配させることになってしまって、情けないような不甲斐ないようなそんな気持ちだった。
でもずっと言えなかった不妊治療のことをようやく言えてほっとしている自分もいました。
その日は「子宮頸管妊娠」と診断されましたが、それをネットで検索した記憶がありません。
普通なら検索してしばらく眠れなくなりそうですが、その日はばたばたしてその余裕がなかったのか、はっきりおぼえていません。
ただ次の日からは私はあえてしばらくネットで検索することを控えていました。
それは翌日の医師の説明でかなり不安なことをたくさん言われたからでした。